こころの不調の東洋医学について

うつや不安などのこころの不調に、漢方が有効なことがあります。 当院では、うつや不安障害の軽症の方や、妊娠・授乳中の方を中心に、漢方も補助療法として積極的に取り入れています。

こころの不調の東洋医学について

 

うつや不安などの心の不調を、東洋医学では、他の身体の疾患と同じように気・血・水の異常と考えます。

気は生命活動のエネルギーと考えられ、血や水を作る源と考えられています。

「気虚」は、気の量が低下し、生命活動が低下している状態で、意欲障害や食欲不振などの症状に現れます。「気滞」は、気の流れが滞り鬱積した状態のことで、呼吸困難感や抑うつ気分やのどの違和感を訴える傾向があります。「気逆」は気が逆行している状態で、頭痛やめまいやのぼせ感の症状に現れます。 漢方の「血」は、通常の「血液」だけを指すのではなく、全身の各器官に栄養を与え滋養させる働きを持つと考えられています。

血の異常としては、「お血(おけつ)」、「血虚」、「血熱」があります。血が停滞したり流れが悪くなっている状態の「お血(おけつ)」は、頭痛や遷延化したうつ状態となります。血が不足している「血虚」では健忘や不安などが現れます。血の循環不足で血に熱がこもる「血熱」で不安感や焦燥感や怒りやすくなるといわれています。 水は血以外のすべての体液であり、全身を潤す作用があります。

水の異常としては、体内に余分な水分が滞留している「水毒」があり、めまいや頭痛や動悸や不安感などが起こるといわれています。

漢方は、心の医学ではあまり用いられておりませんでしたが、近年、認知症の周辺症状や不安感などに有効な漢方があることがわかり徐々に使われるようになってきました。

(参考文献:ラジオNIKKEI医学番組 漢方トゥデイ 領域別入門漢方医学シリーズ「精神科領域と漢方医学」枡渕彰先生、協和メドインター)

「当院で漢方が適応となる方」

ツボとは 漢方は通常のお薬である抗うつ薬や抗精神病薬、抗不安薬や睡眠薬より、効き方がマイルドなため、通常のうつ病や不安障害や不眠症の場合は、漢方だけでの治療は難しいと思われます。

通常は、一般的なうつのお薬や抗不安薬や不眠薬を使用して、補助的に体質改善や不定愁訴改善の目的で使う場合が多くなっています。
うつや不安障害でもかなり症状が軽く、精神療法(医師の行うカウンセリング)がメインの方には、漢方から治療開始できる場合もあります。
更年期障害などの不定愁訴がある方も、漢方を最初から使用すうことで症状がより改善する傾向が多いと思われます。

また、治療が進んで、徐々に症状が改善した後の、通常のうつのお薬を減量していく段階で、漢方を併用することでより症状が軽減し、うつや不安のお薬や不眠薬を減量しやすい傾向があります。

妊婦や授乳婦など、副作用の関係で通常のお薬が使いにくい方に、症状によっては漢方で治療している方もいます。
ただ、症状が中等度から重症の場合には、漢方だけでは治療が難しい場合が多いと思われます。また、漢方でも副作用がないわけではないので、使用に当たっては慎重に症状の改善状態と副作用をみながら使用しています。 尚、当院では内服が簡単な一般的なエキス顆粒剤を処方しております。

このように、当院では、治療に漢方を取り入れることで、体質改善をして、より心身の不調からの根本的で効果的な回復を目指していますので、お気軽にご相談ください。

「お知らせ」

てい鍼治療 開院以来、心の不調を少しでもより改善するお手伝いをしたいと、 心を込めておこなってきたてい鍼(ていしん:刺さない鍼)の施術ですが、今現在の医療制度の下では施術を続けることが難しくなってまいりましたため、 大変申し訳ございませんが、2017年6月末にて新規受付を終了し、翌7月中旬に施術を終了することになりました。
大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解をよろしくお願いいたします。

 

 

Copyright © ako aloma garden clinic  All Rights Reserved.

トップへ戻る